今回ご紹介するのは、東京メトロ丸ノ内線の方南町駅から徒歩2分ほどのところにある「やしろ食堂」です。
方南町の大衆食堂として1971(昭和46)年にオープンした同店。
「やしろ食堂」と言えば、高円寺や荻窪にも店舗がありますが、昔は中央線界隈で15店ほど営業していたチェーン店だったそう。
現在、本部は閉業していますが、それぞれ屋号を残し、当時からのキャッチフレーズ、「うまい・安い・早い」を店頭に掲げて、メニューにも各店個性を出しながら営業を続けています。
オープン当初からお店を切り盛りするのは、厨房担当で寡黙なご主人、中村武雄さん(77)、ホールで元気に接客をする、奥様フクさん(76)です。
もう50年以上二人でお店を切り盛りされています。(写真をお願いすると少し緊張気味のお二人)
お店で提供する惣菜の数は80種類くらいあるでしょうか、武雄さんも「どれだけあるかわらかない」と言うくらい、カウンター一面にメニューがびっしりと掲示されています。
オープンの11時に合わせて、毎日朝6時から仕込みをするそうです。
「こどもの時は貧乏だったから食に関する仕事ができれば、食べられるかなと思って、それでやしろ食堂をはじめたよ」と武雄さん。
フクさんは「お父さんが病気をしたり、私もギックリ腰になったりして、しんどいときもあったけど、お店に立つと良い意味で気が張って頑張れる。家に帰ったときはもう歩けない…となるくらい、どっと疲れがくるけど」と体力面での苦労も話してくれました。
この日、取材に訪れたのは平日17時頃。
すでに近所にお住まいの馴染みお客さまでテーブルやカウンター席も賑わっています。
メニューにある「方南町ビール」(700円)は、今年3月にやしろ食堂の斜め前に誕生したクラフトビールの醸造所「方南ローカルグッドブリュワーズ」で作られた地ビール。
醸造士たちが方南町の活性のために作ったもので、商店街のいくつかのお店では、生ビールでも提供しています。
今の季節は「肉豆腐」(380円)が人気と武雄さん。
小どんぶりにたっぷりと盛られた肉豆腐は、ご飯が進みそうな少し濃いめの味付け。
「魚もおいしいよ」と常連さんが助言をくれて注文した「とびうおの唐揚げ」(480円)は、なんと丸ごと1匹をから揚げにしたもの。
身はふっくらで、カラッと揚がっているので、頭から尻尾までバリバリ食べられます。
定食セットのメニューは、お昼時だけでなく、営業中いつでも頼めるのが特長。近所で働く商店の人にも重宝されています。
「毎日お店のことばかり考えてきた50年。お陰様で続けて来られた。二人息子が、日中の営業を手伝いに来てくれているけど、継ぐかどうかはわからない。体が動く限り、お父さんと頑張っていきたい」とフクさんは笑顔でメッセージをくれました。
―*おまけ*-
やしろ食堂の斜め前にある、クラフトビールの醸造所「方南ローカルグッドブリュワーズ」。
営業は金曜日~日曜日のみですが、瓶入りの地ビールが購入できます。
杉並の新しいお土産として、これから注目を浴びそうです♪
店舗名 | やしろ食堂 |
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住所 | 〒168-0062 東京都杉並区方南2-12-29 |
TEL | 03-3313-6010 |
営業時間 | 11:00〜22:00 |
定休日 | 日曜日 |
- 参考サイト
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方南ローカルグッドブリュワーズ https://www.honanlocalgood.jp/
※定休日や営業時間は変更になる場合があるため、最新の情報は店舗へ直接ご確認ください。
※取材協力:(有)HOT WIRE GROUP
※全て税込価格です。
※掲載内容は2022年12月取材時の情報です。